初めて認定調査を受けます、何をすれば良いのでしょう?
普段を知る家族が認定調査に立ち会えるよう、準備しておきましょう。
自分たちだけで介護するには限界があります。介護保険を活用して、プロの手を借りながら介護を行うのがおすすめです。介護保険申請の際の認定調査とは、介護保険サービスを受けるために必要な聞き取り調査の事です。現状を正確に伝えられなければ、介護度が低くなってしまったり、審査に落ちてしまったりします。場合によっては希望する介護サービスを受けられない可能性もあるでしょう。
この記事では認定調査のコツや事前の準備、当日やるべき事について解説します。知っておけば適切な介護サービスを受ける事ができます。ぜひ参考にしてください。
介護保険の認定調査のコツは家族の立会い
認定調査を成功させるコツは家族が立ち会うことです。
なぜ家族の立会いが必要なの?
認定調査では「普段の正確な体の状態を、調査員にしっかり伝える」事がとても重要です。家族の立会いがなければ「誤った体の状態」が調査員に伝わってしまい、低い介護度で判定されてしまうケースもあります。誤った情報が伝わってしまう事例は以下の通りです。
- 本人ができないこともできると伝えてしまう
- 調査員の前でいつもよりしっかりしてしまう
- いつもより当日の体調が良くなってしまう
普段と違う様子であれば、正確な調査は行えません。正確な状態を伝えるためには、現状を知る家族の立会いが必要になります。
家族が立会わないと、調査員が判断を間違ってしまう
家族の立会いがなければ調査員が判断を間違ってしまう可能性があります。本人だけでは調査員に普段の正確な状態を伝えるのは難しいでしょう。調査を受ける本人から見て、調査員は「初対面のお客様」です。しっかりしなければと思い、普段できない事もできると伝えてしまうのです。
普段の様子を知る家族がその場にいれば、正しい情報を伝える事が出来ます。本人の前で言いにくい事はメモを活用すると良いでしょう。このように普段の正確な状態を伝えるには、家族の立会いが必要不可欠なのです。
家族が立ち会い、正しく認定してもらおう。
認定調査の目的は「正しい要介護度で認定される事」です、介護度は以下2つの情報を元に「介護認定審査会の審査」によって判定されます。
- 認定調査員が持ち帰った情報
- 主治医意見書
間違った情報が伝わってしまうと、審査も間違ってしまいます。正く審査してもらうためには調査員に正しい情報を持ち帰ってもらう必要があるのです。
普段人の手を借りている事を「一人で出来る」と調査員に伝えてしまえば、審査で介護の必要無しと判断されてしまうでしょう。しかし「普段人の手を借りている」と調査員に伝えれば正しく審査してもらうことが出来ます。
正しい介護度で判定してもらうためにも、普段の状態を把握している家族が必ず立会いましょう。
介護保険の認定調査当日に向けた、3つの準備
必要な準備は以下の3つです。
- 認定調査の項目に目を通しておく
- 普段の状況をメモに纏めておく
- 立会いのための日程調整
解説します
認定調査の項目に目を通しておく
認定調査の質問項目は厚生労働省のホームページで確認できます、事前に目を通して回答を準備しておきましょう。調査時間は30分から60分程、74個の質問項目があります。短い時間の中で沢山の質問を受けるため、慌ててしまい必要な事を伝え忘れてしまう恐れもあるでしょう。
事前に回答を準備しておけば慌てる事無く伝え忘れを防ぐ事もできます。厚生労働省のホームページを活用して認定調査を成功させましょう。
参考:厚生労働省 認定調査票
普段の状況をメモに纏めておく
普段の状況をメモやノートに記録しておきましょう。記録を元に伝える事を纏めれば、伝え忘れや漏れを防ぐ事が出来ます。また本人の前で話しにくい事は、紙に纏めておけば調査員に渡すだけで伝えることが出来ます。事前に以下3つを纏めておきましょう。
- 普段誰が・いつ・どんな介護をしているか
- 普段の生活の中で困っている事
- 本人の前では話しにくい事
調査の時間は短いため、記憶だけに頼ると伝え忘れが出てしまう事もあります。普段の状況を纏めておくことで伝え忘れを防止しましょう。
立会いのための日程調整
日程調整も大切な事前準備の一つです。交通網の遅れや急な仕事にも対応出来るよう、余裕をもって調整しておきましょう。認定調査を成功させるコツは家族の立会いです。
渋滞や急な仕事で家族が立ち会えず、低い介護度で認定されてしまう事があります。万一のトラブルを避けるためにも、十分な余裕を確保しておきましょう。
介護保険の認定調査当日にやるべき、3つの事。
当日やるべきことは以下の3つです。
- 現状を正直に伝える
- 普段の症状を出来るだけ具体的に伝える
- 困っている事や気付いた事は遠慮なく伝える
解説します。
現状を正直に伝える
適切な介護サービスを受けるには「心身の状態に合った正しい要介護度」で認定される事が必要です。低すぎても高すぎても困った問題が起こってしまいます。
低い介護度で判定されると、必要な介護サービスが受けられず家族の負担が大きくなってしまいます。また高い介護度で判定されると、過剰な介護サービスが原因で本人の状態悪化を速めてしまう事があります。
本人の状態に合った要介護度で認定されるため、普段の状況をありのまま正直に伝えましょう。
普段の症状を出来るだけ具体的に伝える
用意したメモを使って当日現れない普段の症状もしっかり伝えましょう、具体的に伝える事がポイントです。「足腰が弱ってきた、つらい」と伝える場合と、「足腰の力が弱くなって手すりが無いと立ち上がれない」と伝える場合では情報に差が出来てしまいます。
本人の前で言いにくい事も、普段の様子を纏めたメモを調査員に渡すことで伝える事が出来ます。メモを活用して調査員にしっかり情報を伝えましょう。
困っている事や気付いた事は遠慮なく伝える
普段困っている事や気付いた事も調査員に伝えましょう、認定調査票には「特記事項」というメモ欄があります。特記事項に具体的な状況が記載されていれば、審査会でもその情報を元に審査する事が出来ます。
特記事項欄に状況の記載がなければ審査員に詳しい状況が伝わらず、一般的な事例を元に判断する事になってしまいます。ですが具体的な状況の記載があれば、審査員も現状に沿った判断が出来るでしょう。
審査会で正しく判断してもらう為にも、困っている事・気付いた事は遠慮なく調査員に伝えましょう。
認定調査を終えて、家族揃って幸せな未来を
認定調査を成功させるコツと、事前準備・当日やるべき事について解説してきました。普段の様子を知る家族が立会う事で、調査員から審査会へ正しく情報が伝わり、現状に合った適切な介護サービスを受ける事が出来るでしょう。
適切な介護サービスは家族の負担を軽減し、介護と普段の生活を両立する事も容易になります。またプロの手を借りる事で被介護者の生活の質を向上させる事にも繋がります。
介護保険サービスを申し込む際は、認定調査に家族が立ち会えるようしっかり準備して当日に臨みましょう。