

親の体力維持や転倒を防止するために
何をしたらいいですか?



大切なのは楽しみながら体を動かすこと。
家族みんなが楽しめるレクリエーションを
紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「最近、母の元気がなくて…」「運動が大切とはわかっているけれど、無理はさせたくない」そんな想いを抱えるご家族は少なくありません。高齢者の心と体を支えるには、ただ動くだけでなく楽しさも欠かせません。
この記事では、自宅で無理なく取り組める体を動かす介護レクリエーションを5つご紹介。運動機能や認知機能の維持をサポートしながら、自然な笑顔を引き出せる内容です。
自宅でできる介護レクリエーション|体を動かすおすすめ5選


レクリエーションというと特別な準備が必要と思われがちですが、日常の中に取り入れられるちょっとした運動でも十分効果的です。手軽に安全に、楽しさ重視の介護レクリエーションを5つご紹介します。
- 懐かしソングでリズム体操
- 風船バレー
- ジェスチャーゲーム
- お手玉キャッチリレー
- タオル綱引き
1.懐かしソングでリズム体操
懐かしいメロディーに合わせて体を動かすと、楽しくレクリエーションに取り組めます。若い頃によく耳にしていたメロディーは、思い出や感情を呼び起こすからです。難しい動作を覚える必要はありません。音楽に合わせてリズムに乗るだけで自然に笑顔が広がります。
具体的な懐かしソングでリズム体操のやり方は以下のとおりです。
- 本人が親しみのある曲を選ぶ
- 手拍子や足踏みでリズムに乗る
- 腕振りや体のひねりで自由に体を動かす
懐かしソングでリズム体操は認知能力や筋力、関節の可動域の維持に効果的です。気分も乗りやすいので楽しく取り組めるでしょう。
1曲程度で休憩を挟みつつ、痛みや疲労を感じない範囲で楽しんでみてください。
2.風船バレー
軽くてゆっくり落ちる風船は高齢者でも扱いやすく、楽しく取り組めるレクリエーションです。風船1つで行えるので、家族で一緒に楽しめるでしょう。
具体的な風船バレーのやり方は以下のとおりです。
- 風船が床に落ちないよう順番に打ち返す
- 腕を動かしづらい方は、うちわや丸めた新聞紙を使う
- 右手だけ使う、回数を数えるなどアレンジを加える
風船バレーは肩や腕の柔軟性を高め、反射神経や集中力アップにも効果的です。高齢者が打ちやすい場所にかえしてあげることも大切なポイントです。
上手くいかなくても「ナイスチャレンジ!」と前向きな声かけを心がけてみましょう。
3.ジェスチャーゲーム
頭と体の両方を動かす楽しい脳トレとしておすすめのレクリエーションです。意外な動きや珍回答で笑いが生まれ、運動と意識せずに楽しく体を動かせるからです。
具体的なジェスチャーゲームのやり方は以下のとおりです。
- 1人がジェスチャー役になる
- 用意しておいたお題カードを1枚引く
- 体だけでその内容を表現する
- 他の参加者がお題を当てる
ジェスチャーゲームは、どう伝えるか、なにを表しているかを考えると判断力や想像力が活性化されます。お題は動物、食べ物、日常のしぐさなどから難しくないものを選ぶのがポイントです。
必要に応じてヒントを出すとより楽しめるでしょう。
4.お手玉キャッチリレー
目で見た情報をもとに手を動かす力が鍛えられるレクリエーションです。お手玉をタイミングよく掴む、相手との距離を測って投げるからです。リズムに合わせて丁寧にパスすることで集中力も高まります。
具体的なお手玉キャッチリレーのやり方は以下のとおりです。
- お手玉を1つ用意する
- 最初の人が隣の人に投げてパスする
- 受け取った人は次の人にパスする
- 慣れてきたら2つに増やす
- 途中で逆回りにするなどアレンジを加える
お手玉キャッチリレーは、手指の感覚を刺激したり、お手玉を目で追うことで脳の活性化に効果的です。焦ると落としやすくなるため、無理せずゆっくり行ってみましょう。投げるのが難しければ手渡しでもOKです。
落としても笑ってやり直せる、楽しい雰囲気を目指してみてください。
5.タオル綱引き
椅子に座ったまま行えるので、体力に自信のない高齢者でも楽しく取り組めるレクリエーションです。勝ち負けを競うのではなく、力加減をしながら長く引っ張ることを意識しましょう。
具体的なタオル綱引きのやり方は以下のとおりです。
- フェイスタオルや手ぬぐいなど、手に持ちやすいタオルを用意する
- 椅子に座って向かい合い、それぞれタオルの両端を握る
- 「せーの!」の合図で引っ張り合う
タオル綱引きは、無理のない範囲で引っ張り合うことが大切です。力を入れながらキープすると筋力の維持につながり、持久力も向上します。
安定した椅子を使い滑りにくいタオルを使うなど、安全面にも十分に配慮してみましょう。
在宅介護で体を動かすレクリエーションを成功させる3つのコツ


漫然とレクリエーションを行っても、楽しくなければ続きません。1回や2回は高齢者が付き合ってくれても、そのうち参加するのが億劫になるケースもあります。ここではレクリエーションを成功させるコツを、3つに厳選してご紹介します。
- 小さな達成感を大切に
- 家族も一緒に楽しもう
- 勝ち負けより安心してできる場を意識
それぞれ見ていきましょう。
小さな達成感を大切に
介護レクリエーションで特に大切なのは、小さな達成感を積み重ねることです。「すごい!」「できたね!」といった声かけは自己肯定感を育み、自発的に取り組もうとする意欲にもつながります。
たくさんのほめ言葉でモチベーションをアップさせましょう。
家族も一緒に楽しもう
レクリエーションの魅力は、ただ体を動かすだけではなく楽しい時間を共有することにあります。自分自身も一緒に楽しむことで安心感が生まれ、関係性もより深まります。家族も一緒に楽しめば、心と体の健康だけでなく、家族の絆も育ててくれるでしょう。
寄り添う姿勢は、相手にプレッシャーを与えず取り組みやすくするポイントです。
勝ち負けより安心してできる場を意識
競争やスピード感を求めるのではなく、高齢者のペースで取り組める安心できる空気づくりを意識してみましょう。無理にルールに従わせない柔軟な対応や言葉がけが、本人の安心感と満足感につながります。
上手くできるかどうかよりも、笑って終われることが継続のカギなのです。
まとめ
今回ご紹介した5つのレクリエーションは、どれも簡単で気軽に自宅で始められるものばかりです。楽しみながら体を動かす工夫があり、高齢者だけでなく関わるご家族にも笑顔が広がるでしょう。成功のコツは、ポジティブな声をかけること、一緒に楽しむこと、安心して取り組める雰囲気を作ることです。
今回のレクリエーションを通して、在宅での介護時間が、家族の笑顔が増える楽しい時間になることを願っています。