家族の介護に役立つ勉強はありますか?
介護職員初任者研修と家族介護教室がおすすめです。知識があると自信を持って家族を介護できるので、介護の勉強はとても役立ちますよ。
家族を介護していると、知識がない状態で介護することの難しさを感じる方も多いと思います。何も知らずに介護するとお互いにストレスがかかり、予期せぬ事故や関係性の悪化に繋がるかもしれません。
この記事では、介護の勉強が家族の介護に役立つ理由と、おすすめの勉強法を2つ解説しています。介護について勉強すれば自信を持って介護ができるようになります。ぜひ参考にしてください。
介護の勉強が家族の介護に役立つ理由
介護の勉強が家族の介護に役立つ理由は3つあります。
- 自信を持って介護ができるから
- 他の家族にも介護を教えられるから
- 後悔の少ない介護ができるから
それぞれ順番に解説します。
自信を持って介護ができるから
介護について勉強しておくと、自信を持って家族の介護ができます。勉強することで正しい介護の知識を得られるからです。
自己流で介護すると以下のような問題が出てきます。
- 腰や肩を痛めてしまう
- 介護される家族に痛い思いをさせてしまう
- 良かれと思ってした行動が介護される家族に負担をかけてしまう
お互いにストレスのかかる介護をしていると、家族間の関係が悪化してしまう可能性もあります。
介護について勉強し、身体の使い方や介助のコツを覚えたら、お互いにとって良い介護ができます。自分の介護で家族が柔らかい表情になる場面を何度も見ると、自信を持って介護できるようになるでしょう。
他の家族にも介護を教えられるから
介護を勉強し他の家族にも介護を教えられるようになると、家族の介護にとても役立ちます。他の家族も介護ができるようになると、1人ではなく大人数で介護できるからです。
1人で介護していると時間と体力が削られ、すり減っていく一方です。家族で協力し合うことで、介護によるストレスを緩和できます。介助方法に迷っても、みんなで考えたら答えが出せるかもしれません。
1人で抱え込むと、終わりの見えない介護生活に追い詰められていきます。介護について勉強したら、得た知識やコツを家族に教え、周りを巻き込みながら介護生活を乗り切りましょう。
後悔の少ない介護ができるから
介護について勉強しておくと、後悔の少ない介護ができるでしょう。介護について知っていることで、介護される家族を苦しめる可能性を減らせるからです。
在宅介護の終わりを迎えたときを想像してみてください。以下のように思うかもしれません。
- むせることを減らしてもっと食事を楽しませてあげられたかもしれない
- すぐにおむつにせずもう少し長くトイレを使わせてあげられたかもしれない
- 身体を洗うときにけがをさせずに済んだかもしれない
どれだけ懸命に介護しても後悔はあるものです。しかし、事前に介護を勉強しておくと後悔を減らすことはできます。胸を張って在宅介護を終えられるよう、介護について勉強しておきましょう。
おすすめの介護勉強法2選
介護について勉強するなら、実際に身体を動かしながら学ぶことが1番身につきます。介護の知識と技術を学べるおすすめの勉強法が以下の2つです。
- 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を受講する
- 自治体主催の家族介護教室を利用する
それぞれ解説するので、自分に合った勉強法を選ぶ参考にしてください。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を受講する
1つ目のおすすめ勉強法は介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を受講することです。受講すると、介護職として働き始められるほどの知識を学べます。
介護職員初任者研修の日程は以下の通りです。
- 講義と演習を交えた介護に関する研修を約130時間受講する(各科目の上限を超えない範囲で最大合計40.5時間までなら通信学習の併用も可能)
- 1時間程度の修了試験がある
修了試験に合格すると、介護の基礎知識や技術を持つものとして資格を得られます。
(参考:厚生労働省 介護員養成研修の取扱細則について https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoinnyouseikennsyuu.pdf)
介護職員初任者研修を学べるスクールは全国にあります。学ぶ内容は厚生労働省が定めるカリキュラムに則っているのでどこで受講しても大きな違いはありません。費用の相場は3万〜10万円と幅広く、スクールによっても異なります。
介護未経験でも介護業界で働けるほどの知識や技術と資格が取得できるので、介護職員初任者研修は介護の勉強におすすめです。家族を介護した経験から将来介護業界で働いてみたいと思ったときにも役立つでしょう。
介護職員初任者研修を家族のために受講する方向けに受講料を助成している自治体があります。お住まいの自治体も助成制度があるか調べてみましょう。(参考:えびの市 介護職員初任者研修受講料の助成について https://www.city.ebino.lg.jp/soshiki/kaigohoken/4639.html)
自治体主催の家族介護教室を利用する
2つ目のおすすめ勉強法は自治体主催の家族介護教室を利用することです。家族介護教室に参加すると自分が日頃感じている不安を手軽に解消できるからです。
自治体によって以下のようなさまざまな内容が実施されています。
- おむつの使い方を教える
- 薬の飲ませ方を教える
- 認知症の方のケアについて教える
介護の疲れを癒すストレッチや座談会も併せて開催されることもあり、身近な介護仲間とも出会えます。
(参考:藤沢市 家族介護者教室について https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kourei-s/kazokukaigo-kyoushitu.html)
家族介護教室はその名の通り、介護に励む家族のための教室です。家族が困りそうなことをテーマに内容が決まっているので、短時間で自分が知りたい知識を得られます。時間がない方や勉強のきっかけがほしい方におすすめの勉強法です。
多くの自治体は無料で家族介護教室を実施しているので、興味がある方は気軽に参加してみましょう。
まとめ
介護の勉強が家族の介護に役立つ理由とおすすめ勉強法を2つご紹介しました。何も知らない状態で介護すると、介護する側もされる側も負担が大きくなってしまいます。介護の基本的な知識と技術を学んでおくことで介護の質が格段に上がり、ストレスの少ない介護生活が送れるでしょう。
家族を介護していると誰かと会う機会が減り、孤独を感じる方もいると思います。介護職員初任者研修や家族介護教室は同じ境遇の方と出会えるので、孤独感を和らげられます。勉強して得た知識や技術と仲間に支えられながら、自信を持って家族を介護してください。