在宅でリハビリを受けることはできますか?
訪問リハビリという介護サービスがあります。
住み慣れた在宅で、より生活に則した実践的なリハビリを受けられますよ。
在宅で受けるリハビリについて興味はありませんか?住み慣れた在宅でのリハビリでは、病院や施設で行う訓練よりもより実践的な訓練を提供できます。今回は、在宅介護サービスのなかでも訪問リハビリについて詳しく解説していきます。
また、具体的なリハビリ内容や効果、在宅で受ける良い面や悪い面についてもご紹介します。この記事を読むことで、在宅でのリハビリ内容を理解したうえで、ご自身に合う訪問リハビリの利用方法を見つけられるでしょう。ぜひ、参考にしてみて下さい。
訪問リハビリは在宅介護に寄り添ったサービスです
訪問リハビリとは、リハビリの専門職が利用者の自宅へ訪問し、日常活動に沿ったリハビリを提供する介護サービスです。施設や病院への通所が困難な方や、退院後の日常生活が不安な方が利用されることが多いです。
また、訪問リハビリでは、歩いたり身体を動かす運動だけではなく、福祉用具や住宅改修に対する提案や家族への介護のアドバイスなども行います。利用者の身体機能の向上だけではなく、家族の身体的、精神的サポートにもなる在宅介護サービスのひとつといえます。
訪問リハビリを利用できる対象者は、要介護1以上の介護認定を受けている人になります。また、医師から訪問リハビリが必要と判断された方も対象です。
在宅介護のリハビリでも日常活動の改善がみられます
在宅で訪問リハビリを利用した結果、全体の4割の利用者が日常活動の改善がみられた報告があります。厚生労働省の調査によると、リハビリを開始して6ヶ月後に改善報告が行われています。
介護度 | 利用開始から6ヶ月後の日常活動の改善割合 |
---|---|
全体 | 42% |
要支援1〜2 | 27% |
要介護1〜2 | 39% |
要介護3〜5 | 48% |
(参考:厚生労働省 通所・訪問リハビリテーションの目的を踏まえた在り方に関する調査研究事業)
要介護度が高い人ほど、リハビリを受けることで日常活動の改善が期待できることが分かります。在宅でもリハビリを継続し、利用者や家族の負担軽減を目指しましょう。
在宅介護でのリハビリは運動以外にも様々です
具体的な訪問リハビリの一例は以下の通りです。
- 歩行や階段昇降などの身体機能訓練
- 食事やトイレ、入浴などの生活動作訓練
- 福祉用具の選定や活用方法の助言
- 家族に対し日常の介護の助言
- 発声や嚥下の訓練
- 麻痺や褥瘡を緩和するためのストレッチ体操
- 住宅改修への提案
- 自宅で家族とできるリハビリ内容を提案
リハビリ専門職が、利用者の身体機能や家族の介護状況、福祉用具の適正などを確認し、リハビリ内容を提案してくれます。病院や施設では確認ができないことも、在宅であればより実践的な確認ができるため、家族の安心感にも繋がるでしょう。
家族の介護負担を減らすためにも、身体の状態が悪くなってからではなく、なるべく早い段階でリハビリを受けることをおすすめします。
在宅介護でリハビリを受ける3つの良い面
在宅介護でリハビリを受ける3つの良い面をご紹介します。
- 家族も気軽にリハビリを見学できる
- 在宅の環境に沿ったリハビリが受けられる
- 住み慣れた環境で、落ち着いてリハビリが受けられる
それぞれ順番に解説していきます。
家族も気軽にリハビリを見学できる
訪問リハビリでは、家族も気軽にリハビリを見学できます。リハビリ専門職が在宅に個別に訪問するからです。介護に携わる家族はリハビリを見学することで、日頃の介護の疑問や相談も行えるでしょう。
在宅の環境に沿ったリハビリが受けられる
訪問リハビリでは、在宅環境に沿ったリハビリが受けられます。病院や施設では確認できない、生活動線の確認など実生活に応じた動きが確認できるからです。なかには、「病院では階段が昇れたけど、自宅の階段は昇れない」という方もいます。退院後に在宅生活が不安な方や在宅でのリハビリを希望される方にはおすすめです。
住み慣れた環境で、落ち着いてリハビリが受けられる
訪問リハビリでは、住み慣れた環境で落ち着いてリハビリを受けられます。普段の生活と変わらない環境下で行うからです。外出を嫌がる方や見ず知らずの人との接触が苦手な方にとっては安心できる環境といえます。
在宅介護でリハビリを受ける3つの悪い面
在宅介護でリハビリを受ける3つの悪い面をご紹介します。
- 使用できるリハビリ機器に限りがある
- リハビリ環境が十分に整っていない
- 他人が出入りするため個人情報の管理が難しい
それぞれ順番に解説していきます。
使用できるリハビリ機器に限りがある
訪問リハビリでは、病院や施設にある大型のリハビリ機器は使用できません。自宅への機器の移動や設置が難しいからです。自宅で使用できる機器に限りがあるため、リハビリ内容に違いが出てしまう可能性があります。
リハビリ環境が十分に整っていない
訪問リハビリでは、リハビリ環境が十分に整っていないです。在宅の環境にあわせて行う必要があるからです。施設や病院のような広い歩行スペースや昇段式のベッドなどが無いため、自宅周辺の環境や在宅環境によってもリハビリ内容が制限されることもあります。
他人が出入りするため個人情報の管理が難しい
訪問リハビリでは、個人情報の管理が難しいです。リハビリ専門職が利用者の自宅に出入りするため、どうしてもプライバシー管理については個人で配慮して頂く必要があります。サービスを利用する前に、個人情報の管理について整理しておくと良いでしょう。
まとめ
在宅介護で受ける訪問リハビリの内容と効果を解説しました。訪問リハビリを利用する際には、良い面だけではなく、悪い面も理解したうえで、上手に活用することをおすすめします。家族の介護負担が大きくなる前に、訪問リハビリを積極的に利用し、利用者や家族が安心して生活を送れるようにしていきましょう。