在宅介護の不安を解消する心構えとは?3つに厳選してご紹介!

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自身の親に介護が必要になったとき、「大切な親だからこそ自宅で面倒を見たい」と考える方も多いのではないでしょうか?

しかし、老々介護や介護疲れによる悲しい事故も増加しているのも事実です。だからこそ事前に心構えを抑えることが、介護する方とされる方の双方が幸せな生活を送る上で重要となります。

この記事では在宅介護の不安の原因を解説し、解決のための心構えを3つに厳選してご紹介します。在宅介護の不安が解消されれば、両親とともに充実した日々を送れるようになるでしょう。ぜひ、この記事を参考にして大切な親御さんの介護に備えてください。

目次

在宅介護の不安の原因とは?

在宅介護を始める方が抱く不安について、3つに厳選してご紹介していきます。

  • 介護者の身体的負担が大きいこと
  • 介護者の精神的負担が大きいこと
  • 介護にかかる金銭的負担が大きいこと

それぞれ順番に解説します

介護者の身体的負担が大きいこと

まず挙げられる不安のひとつに、「身体的負担」です。在宅介護は日常生活の介助が必要であり、介護者である家族に負担がかかります。

  • 食事
  • 着替え
  • 入浴
  • 排泄
  • 買い物
  • 通院
  • 散歩

場合によってはひとりの介護者に負担が集中してしまう場合もあるでしょう。

また介護度が高くなると、ベッドからの移動や体位変換等、足腰に負担がかかる介助も必要となってきます。介護度の高い要介護者のケアをしている場合、腰痛に悩まされる介護者も少なくありません

令和3年版高齢社会白書を解説

(出典:「令和3年版高齢社会白書(全体版)」)

上記は、内閣府が行った要介護者等から見た介護者の年齢分布を示した図です。介護者の年齢について見ると、男性では72.4%、女性では73.8%が60歳以上を占めており、いわゆる「老々介護」のケースも相当数存在していることが分かります。

介護者は「徐々に落ちていく体力でいつまで介護できるのか」と不安に感じているのが現状です。

介護者の精神的負担が大きいこと

介護に休みはありません。24時間365日休みなく、年単位で続いていきます。自分の時間が取れず、ストレスを溜め込みがちになります。

要介護者が認知症を発症している場合、夜間にトイレの介助やおむつ交換等が必要となり、十分な睡眠が取れないことも少なくありません。また同じことを繰り返し何度も聞いてくることもあるでしょう。

思うような生活ができなかったり、スムーズなコミュニケーションが困難になったりすると、怒りや苛立ちが込み上げてしまうこともあります。熱心に介護をしている方ほどつい口調が強くなり、自己嫌悪に陥ることも少なくありません。

要介護者以外にも訪問ヘルパーやケアマネージャーなどとのやり取りも必要です。これまで関わりのなかった人とのコミュニケーションは精神的負担となります。

介護にかかる金銭的負担が大きいこと

在宅介護の費用も介護者にとって大きな負担です。介護保険サービスについては自己負担1~3割ですが、日常生活にかかる費用は全額自己負担となります。

公益財団法人家計経済研究所 在宅介護のお金と負担 2016年調査を解説

(出典:公益財団法人家計経済研究所 在宅介護のお金と負担 2016年調査

上記は公益財団法人家計経済研究所が2016年に行った、在宅介護にかかる費用の調査結果を示した図です。在宅介護にかかる費用の平均は1か月あたり約5万円となっています。

内訳は介護保険サービスにかかる費用が約1.6万円、それ以外の日常生活にかかる費用が約3.6万円です。要介護度が上がるに伴い負担が大きくなっていることも図から分かります。

介護者が仕事と介護を両立できず職場を離れることを余儀なくされる介護離職も増加中です。介護離職すると世帯年収が大きく下がり、経済的負担はさらに大きくなります。

在宅介護の不安を解消する3つの心構えとは?

提案する介護職

在宅介護を始める方が抱く不安を解消するための心構えについて、3つ順にご紹介していきます。

  • ひとりで抱え込まないこと
  • 介護保険サービスについて理解を深めること
  • 施設への入居を検討してみること

それぞれ順番に解説します

ひとりで抱え込まないこと

在宅介護は孤独になりがちです。ひとりで抱え込む状況は介護者の身体的、精神的負担となります。だからこそ事前に家族や親族と今後の介護の方針や役割分担について話し合っておくことは非常に重要となります。

また、身近に信頼できる相談相手を作ることも効果的です。在宅介護であればまずは担当のケアマネジャーに相談するのが良いでしょう。ケアマネジャーは要介護と認定された人に対して、介護サービスを組み合わせたケアプランを作成してくれる介護のプロです。守秘義務もあるので、介護に関する相談相手として頼もしい存在となってくれます。

「介護者の会」と呼ばれる、地域の介護者が集まって交流しているコミュニティもあります。介護者同士がお互いの悩みを共有し合うことは、在宅介護を続けていくうえで大きな心の支えとなるでしょう。近隣の介護者の会は、地域包括支援センターや市町村のホームページ等から探すことができます。

介護保険サービスについて理解を深めること

介護保険サービスは、要介護者が可能な限り在宅で自立した生活を送ることができるよう、社会全体で支えていく制度です。原則65歳以上から利用可能で、介護者、要介護者の大きな支えとなります。

40歳以上の人が加入者となって保険料を納めます。しかし実際に利用するのは介護が必要になってからということもあり、制度について理解されていない方も少なくありません。

制度は複雑で多岐にわたり、利用するためには「要介護認定」の申請を行う必要があります。だからこそ事前に制度の概要について理解を深め、いざ必要になったときにすぐに利用できるよう準備しておくことが重要です。

地域包括支援センターでは制度の利用方法について無料で相談できます。地域に住んでいる65歳以上の高齢者、およびその家族など、高齢者に関係する人であれば誰でも利用可能です。電話や手紙でも受け付けてもらえるので、気軽に相談しましょう。

施設への入居を検討してみること

在宅介護を続けることは決して簡単なことではありません。在宅介護が難しくなってきたら施設への入居を検討することも有効な選択肢となります。

介護度が上がるにつれて介護者の負担は大きくなっていきます。要介護度が低いうちはできていた仕事と介護の両立も難しくなり、介護離職を余儀なくされるかもしれません。介護疲れが慢性化すると共倒れのリスクもあります。

他人の手を借りることや離れて生活することに抵抗を感じるかもしれません。しかし施設では介護の専門家の手で24時間365日の体制でケアを受けられるメリットがあります。在宅介護では十分なケアができない場合は、要介護者本人のために施設への入居を検討することも一つの選択肢です。

無理をせず、介護者、要介護者双方にとってベストな環境を考えていくことが大切です。

まとめ

在宅介護を始める方が抱く不安と、それを解消するための心構えについて解説してきました。

多くの人が初めて経験する介護は不安で当たり前です。明日突然親や家族の介護が必要になるかもしれません。終わりが見えない介護に精神的負担を感じることもあります。ですが事前に準備しておくことでその不安は小さくすることができます。

在宅介護に対する不安とそれに対する心構えを抑えて、介護する方とされる方双方にとって幸せな介護生活作りの参考にしてください。

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