医療費控除を受けて介護施設の費用負担をおさえる方法を徹底解説!

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くるみさん

介護施設の費用をおさえる方法はありますか?

シン

医療費控除を受ければ介護施設の費用負担をおさえられます。対象の介護施設や具体的な申請方法をおさえて助成制度を活用してくださいね。

皆様は医療費控除を受ければ介護施設の費用をおさえられることはご存じですか。公的な助成制度は複雑な上に小難しい言葉で説明されることが多いので聞いた事はあっても、しっかり理解されていない方も多いのではないでしょうか。

しかし、長期で考えると医療費控除を受けるか受けないかで費用負担は大きく変わります。

この記事では分かりやすく医療費控除について解説します。制度の恩恵をしっかり受けて負担軽減にお役立てください。

目次

医療費控除を受ければ介護施設の費用をおさえられる

介護施設のイメージ

医療費控除を活用すれば介護費用の負担軽減が可能です。医療費控除について4つの観点から解説します。

  • そもそも医療費控除とは
  • 具体的な控除額の計算方法
  • 対象となる介護施設と費用
  • 医療費控除による減税額

それぞれ順番に解説します。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは支払った医療費に応じて所得税を減税できる制度のことです。

医療費控除を受ければ医療費の一部が所得から差し引かれるので所得を減らすことができます。

私たちが納めている所得税は収入から必要な経費を引いた「所得」にかかる税金です。所得が減ると納める所得税も減りますので実際に受け取れる手取額が増えます。つまり医療費控除を受けることで事実上、家計から支払う医療費の負担をおさえられるのです。 

生活費を共有している家族の医療費を支払った場合は、家族の医療費分も合算して控除申告ができます。生活費を共有してさえいれば同居していない家族も医療費控除の対象です。例えば別々に生活している親の医療費を子が支払った場合、子は親の医療費を合算して控除申告できます。

具体的な控除額の計算方法

医療費は最大200万円まで控除可能です。

しかし控除の対象となるのは10万円を超える費用となります。10万円未満の費用や保険金で賄えた費用は控除の対象外となるので注意してください。

控除できる医療費を求める計算式は次の通りです。

医療費控除額=家族の年間医療費の合計-「保険金などで補填された金額」-「10万円(所得200万円未満の場合は所得の5%)」

たとえば家族の年間医療費の合計が30万円であれば、10万円を除いた20万円が医療費控除額となります。ただし保険による入院保障などで10万円の補填があった場合は20万円から10万円を引いた10万円が医療費控除額です。

高齢者の生活や介護に関する困りごとは、お住まいの地域包括支援センターで相談できます。医療費控除に関してお悩みであれば、一度相談してみるのがおすすめです。

対象となる介護施設と費用

介護施設に関わる費用も医療費控除の対象となる場合があります。

医療費控除が受けられる介護施設は以下の公的介護保険施設です。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 指定介護療養型医療施設

公的護施設で掛かかった介護サービス費、食費、居住費などの月額利用料が医療費として控除対象となります。

対象の介護施設のなかで「介護老人保健施設」「介護医療院」「指定介護療養型医療施設」で掛かった月額利用料は満額が控除対象です。一方で「特別養護老人ホーム(特養)」に関しては掛かった費用の半額のみが控除の対象になる点をご注意ください。

また、対象の介護施設へ行くための交通費も公共の交通機関やタクシーを利用した場合は控除対象です。(自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。)

一方で歯ブラシ、シャンプーなどの日用品に関しては医療費とはいえないので控除の対象外です。

施設から受け取る領収書には医療費控除の対象かどうか記載されています。どこまでが対象でどこからが対象外かは覚えなくでも申告しそびれることはないのでご安心ください。

民間の有料老人ホームは月額利用料に関しては医療費とみなされず控除の対象外です。ただし医療関係の費用やおむつ代などは控除の対象となります。

医療費控除による減税額

医療費控除を受けると減税できる金額は「医療費控除額」×「所得税率」できまります

所得が大きくなるほど税率も高くなる制度設計になっていますので高所得者が申告した方が減税される金額が大きくなります。つまり家庭の中で高所得者が控除申告をするとよりお得になるといえます。

 介護施設費用のうちどれくらいが減税され返金を受けられるか、仮設定の例で具体的に計算してみます。

【仮設定】

  • 介護施設の月額利用料が15万円
  • 年収500万、課税所得236万、所得税率10% 

※諸条件により課税所得額は変わります。あくまで一例としてご参考にしてください。

介護施設の年間利用料

15万円×12カ月→180万円

※特養の場合、対象額は半分のみのため90万円で計算します。

医療費控除の対象額

180万円-10万円→170万円

※保険金充当金額はないとしています。

※所得が200万円以上なので介護施設費用から差し引く金額は10万円です。

医療費控除を受けることで減税できる金額

170万円×10%→17万円

※所得税率10%のため

以上の計算から仮設定した条件では、1年間で所得税から返金を受けられる金額は17万円だと分かりました。

 介護が長引き、施設の利用年数が長期に渡る場合もあるかと思います。医療費控除を受けるか受けないかで累計の負担額の差は大きくなるといえます。

医療費控除の申請方法

医療費控除のイメージ

医療費控除の申請についてふたつの観点から解説します。

  • 控除を受けるには確定申告が必要
  • 医療費控除の明細書を提出する

それぞれ順番に解説します。

控除を受けるには確定申告が必要

医療費控除を受けるには確定申告をする必要があります

会社員の方は会社がおおよその税金額を計算し給与からあらかじめ天引きし、各個人が年末に過不足を申告して調整する仕組みになっているので確定申告の必要がありません。今まで経験がないため確定申告にあまり馴染のない会社員の方も多いかもしれません。

企業に勤めていない自営業やフリーランスの方はその年の所得に応じた計算をし、確定申告をすることで税務署へ納税額を報告しています。

医療費控除の明細書を提出する

 医療費控除は、確定申告の際に「医療費控除の明細書」を提出し申請します。

「医療費控除の明細書」は税務署で取り寄せるか国税庁のサイトからダウンロードできますので取得し必要事項を記載します。この際に領収書に記載されている医療費や医療機関の名称を記載する必要がありますので領収書は大切に保管しておいてください。

 申告をしそびれても過去5年をさかのぼって請求することが可能です。領収書が残っていましたら税務署に相談し対応をお勧めします。

まとめ

公的介護保険施設を利用する場合、月額利用料などが医療費控除の対象になりますので所得税の減税ができます。

介護期間が長期に及ぶことを想定すると医療費控除を受けるか受けないかで費用負担に大きな差がでます。

確定申告の際に医療費控除の明細書を提出することで控除を受けることができますので、活用できる助成制度はしっかり利用して介護に関する費用負担はできるだけ軽くしましょう。

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