認知症の初期症状はどんなものがありますか?
よく知られている物忘れを含め5種類の症状があります。初期症状を知ることで認知症の早期発見ができますよ。
認知症は本人よりも周りの人が違和感から気づくことが多いです。しかし、認知症の初期症状を知らないと年相応の物忘れと勘違いすることもあるでしょう。認知症だと気づいたときには症状が進行してしまっていることもあります。
この記事では認知症の初期症状について以下のポイントにわけて解説しています。
- 認知症を早期発見するメリット
- 認知症の初期症状5選
認知症を早期発見し適切な対応を取れば、今後の介護生活の負担を大きく減らせます。ぜひ参考にしてください。
認知症を早期発見するメリット
認知症の初期症状を知っていると、早期発見できる可能性が高くなります。認知症の早期発見は本人にも家族にもメリットがあります。具体的には以下の3つです。
- 早くから専門家のアドバイスがもらえる
- 今後の生活の準備が早めにできる
- 進行を遅らせられる可能性がある
それぞれ解説します。
早くから専門家のアドバイスがもらえる
1つ目のメリットは、早くから医療や介護の専門家からアドバイスがもらえることです。専門家から認知症の治療法や適切な接し方などをいち早く学べるからです。
認知症には早めに治療したら改善が期待できる病気が原因のものがあります。以下が具体例です。
- 正常圧水頭症
- 慢性硬膜下血腫
- 甲状腺機能低下症
早めに専門家に相談し認知症の原因を突き止めることは、今後の生活に関わってくるので非常に重要です。
認知症の方との接し方も早くから専門家に相談しましょう。知識がないと認知症の方を理解できず、互いにストレスとなる接し方をしてしまう可能性があるからです。
認知症を早期発見し専門家にアドバイスをもらうことで、本人も家族も過ごしやすくなります。専門家からのアドバイスは積極的にもらいましょう。
どの専門家に頼るのがいいのかわからないときは、各地域にある認知症初期集中支援チームに連絡しましょう。本人や家族の話を聞き、対応方法を教えてくれたり、専門医療機関の受診を支援してくれたりします。(参考:京都市 認知症の初期支援https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000244599.html)
今後の生活の準備が早めにできる
2つ目のメリットは、今後の生活の準備が早めにできることです。認知症を受け入れ、生活に必要な知識を得る時間を長く持てるからです。
認知症だと早くに気づけたら、介護サービスの利用を家族でじっくり検討できます。介護認定の流れや認知症でも使えるサービスなど、気になる情報を集めましょう。
認知症が進行していくと症状がどんどん変化していき、その都度困ることも異なってきます。認知症について予習し、今後の生活のために時間をかけて準備しましょう。
進行を遅らせられる可能性がある
3つ目のメリットは、進行を遅らせられる可能性があることです。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は、早期に服薬を始めることで進行を遅らせられるといわれているからです。
服薬以外にも、認知症の進行を遅らせる方法があります。
- 食生活を正す
- 適度に運動する
- 睡眠時間を確保する
生活習慣を整えストレスの少ない環境で過ごすことで、認知症の進行を遅らせられます。
服薬や生活習慣の見直しは早期に始めるほど効果が期待できます。早い段階で認知症に気づければ、進行を遅らせる方法をたくさん試せるでしょう。
周りがサポートしすぎて自分で考える必要がなくなると、認知症を進行させてしまうこともあります。どこまでサポートするのが良いか専門家の力も借りながら考えましょう。
認知症の初期症状5選
認知症の初期症状は5つあります。
- 物忘れが目立つ
- 判断力や理解力が低下する
- 時間や場所がわからなくなる
- 性格が変わる
- 身だしなみや趣味に対して無関心になる
症状の具体例をそれぞれご紹介します。認知症が早期発見できるよう、参考にしてください。
物忘れが目立つ
認知症になると少し前に起こったことを忘れてしまいます。そのため、以下のような症状が出ます。
- 同じことを何回も話したり聞いたりする
- 電話を切ったばかりなのに相手の名前を忘れている
- 置き忘れやしまい忘れがあり、いつも探し物をしている
- 物がなくなると盗まれたと人を疑う
判断力や理解力が低下する
認知症になると計画的に順序立てて物事を進めるのが難しくなります。以下のように日常生活にも支障が出てきます。
- 料理や運転などの手順がわからなくなりミスが増える
- テレビの内容が理解できない
- 周囲の会話についていけない
- 最近の事が覚えられない
時間や場所がわからなくなる
認知症になると時間や場所、さらには朝・昼・夜の区別や季節さえもわからなくなることがあります。認知症初期では以下のような症状が出ます。
- 約束の日時や場所がわからなくなる
- 慣れた道で迷う
- どこに行こうとしていたのかわからなくなる
- 今日の日付がわからない
性格が変わる
認知症によりミスを指摘されたり周りとの会話ができなくなったりすると、不安や怒りの感情が湧きます。自分を守るためにも以下のような症状が出ます。
- 些細なことで怒るようになった
- 周囲への気遣いがなくなった
- 活動的な人が閉じこもるようになった
身だしなみや趣味に対して無関心になる
認知症になると身の回りのことや今まで楽しんできた趣味にも関心が薄れ、無気力になります。その結果、以下のような症状が出ます。
- 服や下着、髪型に無頓着になった
- 趣味や日課にも興味を示さなくなった
- やる気をなくしふさぎこむようになった
症状の現れ方には個人差があります。すべての症状に当てはまらなくても、少しでも違和感があれば早めに専門家を頼りましょう。
まとめ
認知症を早期発見するメリットと、認知症の初期症状を解説しました。初期症状を見逃さず早期に適切な治療や支援に繋げることが、認知症介護においてとても重要です。早めに受診し、結果的に認知症でなかったとしても、予防法を教えてもらえるいい機会となります。
認知症に気づくのは本人ではなく、一緒に過ごしている家族であることがほとんどです。大切な家族が認知症かもしれないという事実をなかなか受け入れられない方もいるでしょう。家族だけで悩まず、専門家の力もたくさん借りながら、認知症と向き合っていってください。