認知症介護のポイントはなんですか?
どうしたら認知症の方が安心して生活できるかを考えるのがポイントです。ちょっとした工夫で生活の質が上がりますよ。
認知症は高齢者によく見られる病気であり、介護が必要になることがあります。家族が認知症の方を介護する場合、適切な知識と技術を持つことが重要です。認知症の介護には、コミュニケーションや行動管理、安全対策など多くのポイントがありますが、その中でも特に重要な3つのポイントをご紹介します。
- 認知症をケアのポイント
- 認知症のリハビリのポイント
- 介護拒否への対応がキーポイント
これらのポイントを押さえることで、家族が認知症の方を効果的に介護できるようになり、生活の質を向上できます。家族が認知症の介護をする際に、ぜひ参考にしてみてください。
認知症をケアのポイント
認知症ケアのポイントは以下の3つです。
- コミュニケーションを大切にする
- 安全な環境を作る
- 自分自身の健康にも気を付ける
それぞれ順番に解説します。
コミュニケーションを大切にする
コミュニケーションは、認知症の方がより落ち着いて生活するためにとても大切です。ストレスを減らして認知症の進行を抑える効果もあります。一方通行の話し方ではなく、話を聞き、理解を示すことが求められます。また、言葉だけでなく、ジェスチャーや表情を含めたコミュニケーションも良いでしょう。
安全な環境を作る
認知症になると、安全で快適な環境を作ることが大切です。物事を忘れたり、物の場所を忘れたりすることがあるので、ごちゃごちゃした環境だとストレスが溜まってしまいます。また、転んだり怪我をしたりするリスクを減らすために、床に敷物を敷く、家具の配置を見直すなどの対策も考えましょう。
自分自身の健康にも気を付ける
認知症の方の介護を行う際は、自分自身の健康にも気を付けるのが肝心です。認知症の介護をしていると、ストレスや疲れがたまりやすくなります。介護疲れがひどくなると介護うつや介護離職により、家庭環境が崩壊する恐れもあります。適度な休息や運動、健康的な食生活をするなど自分自身の健康にも気を付けましょう。
プロの支援を受ける
介護を行う際はプロの支援を受けるのがおすすめです。認知症の介護を、家族だけで行うには大変なことが多々あります。プロの支援を受けることで、気持ちや時間にゆとりが出来るので、家族が快適に生活を送ることも出来るでしょう。
認知症のリハビリのポイント
認知症のリハビリには主に4種類の方法があります。
- 回想法
- 作業療法
- 音楽療法
- 運動療法
それぞれのポイントを順番に解説します。
・昔を思い出す回想法
回想法は昔の思い出を語ることで、精神面を安定させる事が出来るリハビリです。また、認知症の予防や改善にも効果があるといわれています。写真や映像を見て過去を思い出しながら会話することで、コミュニケーションの活性化にも繋がります。
・日常の作業を行う作業療法
作業療法は手先を使う遊びや家事などの、日常動作や趣味を通じておこなうリハビリです。認知機能を強化する効果があるといわれています。簡単な家事などに参加することで、自信を回復させ、社会的関係を築くことができます。さらに、生活の質を改善することも期待されるでしょう。
・音楽を楽しむ音楽療法
音楽療法は音楽を通じて心の安定を図るリハビリです。好きな音楽を聴いたり、歌詞を一緒に歌ったり、楽器の演奏などを行います。脳内のドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質を増加させ、気分や行動に良い効果があるのが特徴です。
音楽を楽しむことにより、自己表現能力を高め、社会的交流やコミュニケーションを促進も期待できます。
・適度な運動を行う運動療法
運動療法は体力低下を予防するリハビリです。ラジオ体操やストレッチなどの簡単な運動を行います。日中体を動かすことで夜間眠りにつきやすくなるのも特徴です。
適度な運動は脳を刺激し、神経細胞の生成を促進します。血流や酸素の流れが良くなることで、認知症の症状を改善することが期待できます。
介護拒否への対応がキーポイント
認知症の介護に限らず、自宅でも介護施設でも介護拒否が生じる場面があります。その背景として、「介護される側の気持ち」を考えることは大事なことです。介護拒否への具体的な対応策には以下のようなものがあります。
- 原因の探究
- コミュニケーションの工夫
- 選択肢の提示
- 休憩時間の確保
- 尊重と理解
それぞれ順番に解説します。
原因の探究
介護拒否への対応では、まず介護を拒否する理由を理解することが大切です。日常的にやらなければならないことや、どうしてもやってほしいことなどは、つい声を荒げて強制してしまいがちになります。
認知症の方が介護を拒否する理由はさまざまであり、不安や恐怖、不快感、自立心の強さなどが考えられます。まずはしっかりとコミュニケーションを取り、どうして介護を拒否するのか原因を探究してみましょう。
コミュニケーションの工夫
介護拒否への対応では、丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。認知症の方は、状況を正しく認識できない場合があります。簡潔でわかりやすい言葉で説明すると良いでしょう。
認知症の方は相手の雰囲気にも敏感です。声のトーンや表情にも気を配り、相手の気持ちに寄り添うようにすると拒否なくスムーズに動作が行える場合もあります。
選択肢の提示
介護拒否への対応では、選択肢を提示して選んでもらうのがおすすめです。認知症の方は自分で意思決定することが難しい場合もあるからです。選択肢を提示すれば認知症の方でも意思決定がしやすくなります。
たとえば介護の方法や時間帯、食事のメニューなどについて、漠然と訪ねても明確な返答が得られない場合もあります。いくつか選択肢を絞って提示すれば意思の疎通が図りやすくなるでしょう。
休憩時間の確保
介護拒否への対応では、休憩時間の確保も大切です。認知症の方が介護を拒否する場合、介護する側と介護される側の双方がつかれてしまいます。下手をすると家族間の関係が悪化することもあるでしょう。あまりにも介護拒否が強い場合は、一度距離をおいて休憩時間を確保することで気分が変わることもあります。
尊重と理解
介護拒否への対応では、認知症の方の尊重と理解が大切です。認知症の方の尊厳が確保されていないと、余計に態度が硬くなってしまう場合があります。認知症の方が介護を拒否すると、家族にとっては大きなストレスです。
しかし認知症の方も同様かそれ以上にストレスを感じています。認知症の方が安心できる環境を整え、互いにストレスの少ない生活を送れるように心がけましょう。
まとめ
家族が知っておきたい認知症の介護のポイントをご紹介しました。家族が認知症の患者を介護する場合、適切な知識と技術を持つことが重要です。認知症の介護には、患者とのコミュニケーションや行動管理、安全対策など多くのポイントがあります。
これらのポイントを押さえることで、認知症の方を効果的に介護できるようになり、介護が必要な方の生活の質を向上させることができます。ご自宅で認知症の方の介護をする際に、ぜひ参考にしてみてください。