介護施設の入居に必要な身元引受人とは何をする人?必要な理由や条件も徹底解説

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くるみさん

身元引受人とはなんですか?

シン

入居者の代わりに意思を決めたり手続きしたりする人です。特別な知識は必要なく、施設の条件に合えば誰でもなれますよ。

入居するときに身元引受人を決めることが条件となっている介護施設はたくさんあります。身元引受人について知らないと、家族間で誰がなるのか押し付け合いになりかねません。

この記事では身元引受人について理解できるよう、必要な理由や役割、なるための条件を解説しています。自分が身元引受人になると決まったときに納得して引き受けられるよう、ぜひ参考にしてみてください。

目次

介護施設が入居時に身元引受人を必要とする理由

入居するときに、身元引受人を用意することが条件となっている介護施設はたくさんあります。身元引受人がいない方を受け入れると、問題があったときに施設の負担や責任が大きくなるからです。

総務省の調査によると、入院や入居のときに身元保証人(身元引受人を含む)を求めると答えた病院と施設は全体の9割以上でした。さらに、身元保証人が用意できない場合、入所を断ると回答した施設が2割もありました。断る理由は以下の4つでした。

  • 病院・施設の負担が大きいから
  • 責任が重いから
  • 退所先の確保や入院支援などが難しいから
  • 具体的な対応が分からないから

トラブルや緊急時に責任を取ってくれる人がいないと、施設が責任を取ることになりかねません。場合によっては訴訟に発展することも考えられるので、身元保証人のいない方の受け入れはリスクが大きすぎるのです。

(参考:総務省 高齢者の身元保証に関する調査(行政相談契機) https://www.soumu.go.jp/main_content/000803631.pdf

トラブルや緊急時の責任の所在を明確にし施設のリスクを減らすために、多くの介護施設は入居するときに身元引受人を必要としています。

身元引受人の4つの役割

身元引受人の役割は以下の4つがあります。

  • 病気やけがをどのように治療するか決定する
  • 緊急時の連絡先になる
  • 必要な事務手続きを代行する
  • 亡くなったときの対応をする

それぞれ順番に解説します。

病気やけがをどのように治療するか決定する

身元引受人は入居者の病気をどのように治療するか決定します。介護施設の職員では治療方法や延命措置をどうするのか決めたり、入院の手続きをしたりできないためです。

特に悩む方が多いのは、施設で看取るのか病院へ搬送し延命措置をするのか決めるときです。身元引受人だけで決めるのは荷が重すぎるので、家族や施設の職員と何度も相談しましょう。

入居者の病気やけがをどのように治療していくか家族で話し合い、出た意見をまとめ、病院や施設に伝えるのが身元引受人の役割です。

緊急時の連絡先になる

身元引受人は緊急事態が発生したときの連絡先になります。急を要する場面で誰に電話したらいいのかわからないのは非常に困るからです。

緊急時の具体例は以下の通りです。

  • 事故が発生したとき
  • 病気やけがで受診するとき
  • 急変により緊急搬送するとき
  • 死亡したとき

緊急の連絡の可能性もあるので、施設からの連絡に対応できなかったときはすぐに折り返しましょう。また、身元引受人が仕事や家庭の事情で電話対応が難しい場合は、他の家族に連絡してもらうよう施設に伝えておいてください。

介護施設としては家族に連絡が取れないことで、対応や治療が遅れるのは避けたいことです。身元引受人は緊急時には1番に連絡が来ることを頭に入れておきましょう。

必要な事務手続きを代行する

身元引受人は入居者の代わりに生活に必要な事務手続きをするのも役割です。具体的な手続きは以下の通りです。

  • 年金の手続き
  • 保険の手続き
  • 入退院の手続き
  • 銀行の手続き

その都度、市役所や銀行などから具体的な手続き方法について情報を集めましょう。

亡くなったときの対応をする

身元引受人の役割の1つが亡くなったときに対応することです。亡くなってからも責任を伴う手続きが多いので、身元引受人が責任を持って対応しましょう。入居者が亡くなったときに家族の中の誰が対応してくれるのかわかっていると、施設もスムーズに手続きできます。

亡くなったときの具体的な対応は以下の通りです。

  • ご遺体の引き取り
  • 荷物の引き上げ
  • 退去の手続き
  • 未払いの入居費用の清算

気持ちを切り替えられていないのに退去などの手続きをするのは辛いことです。施設とのやりとりは身元引受人が引き受けますが、葬儀の手配など施設と関係ない対応は家族全員で支えあいながら進めましょう。

施設によっては「金銭面で問題が発生したときの連帯保証人になる」という役割があります。本来は保証人の役割ですが、身元引受人に任せている施設もあるので必ず確認しましょう。

身元引受人になるための条件

多くの介護施設では以下の2つの条件を満たせる人に身元引受人になってもらうよう求めています。

  • 資産や収入が施設の求める基準以上あり、証明もできる
  • 高齢すぎない

判断や対応について責任を持てる人に身元引受人になってもらう必要があるからです。

条件として決められている具体的な収入額や年齢は施設ごとに違います。収入と年齢の条件を満たせば親族以外でも身元引受人になれる施設もあります。

入居を検討するときに、施設が求めている身元引受人の条件を確認しましょう。

加齢や病気などで身元引受人を続けられないときは途中で変更することも可能です。早めに施設に相談しましょう。

まとめ

介護施設に入居するときに身元引受人が必要な理由や役割、なるための条件を解説しました。身元引受人を誰が引き受けるのかは家族にとって大きな悩みとなります。家族間で話し合いがスムーズに進むよう、身元引受人について理解しておくのは重要です。

身元引受人は介護施設とのやりとりにおいて責任を持つ立場ですが、判断や対応を1人で背負い込む必要はありません。困難に直面しても、身元引受人を中心にその都度家族で話し合いながら乗り越えていきましょう。

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