夫婦で同じ部屋に住める老人ホームはありますか?
2人部屋がある老人ホームは6種類あります。同室のメリット・デメリットを理解して、入居方法を決めてくださいね。
両親が老人ホームに入居するなら、一緒に入居させてあげたいと考える方もいるでしょう。別々の施設に入居すると、仲の良い両親がお互いに簡単に会えなくなってしまいます。手続きや面会の手間も増え、子供にかかる負担も大きいです。
この記事では、夫婦同室で入居できる老人ホームの紹介と、同室のメリット・デメリットを解説します。夫婦の同室入居について理解すると、自分たちに合う入居方法が検討できます。ぜひ参考にしてください。
夫婦で住める2人部屋がある老人ホームは6種類
夫婦が同室で老人ホームへ入居するならば、2人部屋がある老人ホームを選ぶ必要があります。1人部屋には2人で入居できないからです。
2人部屋がある老人ホームは6種類あります。表にまとめたので、入居を検討する際の参考にしてください。
名称 | 介護度の入居条件 | 施設の概要 |
---|---|---|
ケアハウス(経費老人ホーム) | 自立~軽度の要介護 | 60歳以上で家庭での生活が困難な方が対象。低料金で介護サービスを受けられる施設。 |
介護付き有料老人ホーム | 要支援1~要介護5 | 生活支援や介護のサービスが24時間受けられる施設。 |
住宅型有料老人ホーム | 自立~軽度の要介護 | 生活支援サービスが受けられる施設。外部の介護サービスの利用も可能。 |
健康型有料老人ホーム | 自立 | 60歳以上の方が対象。健康な方が専門のスタッフに見守られ、老後を楽しく過ごせる施設。 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 自立~軽度の要介護 | 安否確認や生活相談サービスが受けられる。建物はバリアフリー対応。賃貸住宅という位置づけの施設。 |
グループホーム | 要支援2~要介護5 | 認知症の方が対象。5〜9人で共同生活を送る施設。 |
上記の老人ホームに2人部屋が必ずあるとは限りません。気になる老人ホームに2人部屋があるか確認しましょう。
夫婦が同室で暮らすメリット
老人ホームで夫婦が同室で暮らすメリットは以下の3つです。
- 今までと変わらず2人で支えあって暮らせる
- 個室を2つ借りるより費用を抑えられる
- 子供や孫に負担や迷惑をかけずに済む
それぞれ解説します。
今までと変わらず2人で支えあって暮らせる
夫婦が同室で老人ホームに入居すると、今までと変わらず2人で支えあって暮らせます。今までの暮らしとあまり変わらないので、老人ホームでの生活に慣れるのも早いです。お互いの存在が支えとなり、慣れない環境でも孤独感なく暮らせるでしょう。
個室を2つ借りるより費用を抑えられる
多くの老人ホームでは夫婦で入居する場合、個室を2つ借りるより2人部屋を借りるほうが費用を抑えられます。設定価格が2人部屋の方が安い場合が多いからです。
ただし、施設によってはあまり変わらないところもあります。気になる老人ホームの設定価格はしっかりと確認しましょう。
費用は少々高くなっても、広さや設備によっては個室を2部屋借りたほうが満足度が高いこともあります。実際に見学し、2人とも納得できる居室を選びましょう。
子供や孫に負担や迷惑をかけずに済む
夫婦が同室で老人ホームに入居すると、子供や孫に負担や迷惑をかけずに済みます。入居後は専門のスタッフがサポートしてくれるので、子供や孫に介護を頼む必要がないからです。
夫婦で一緒に入居することで、他にも子供や孫の負担を減らせることがあります。具体的には以下の2つです。
- 手続きを自分たちで済ませられる
- 同室なので面会が1度に済ませられる
年長者として、子供や孫に迷惑をかけるのは避けたい方もいるでしょう。夫婦そろって同じタイミングで入居したら、子供や孫は介護の心配をせずに過ごせます。
夫婦が同室で暮らすデメリット
老人ホームで夫婦が同室で暮らすデメリットもあります。
- 2人部屋は少ないので空きがすぐに見つからない
- お互いがストレスとなることがある
- 夫婦2人の介護度に差があると入居が難しい
- 介護度が上がってくると退去を迫られる可能性がある
- どちらかが亡くなると住み替える必要が出てくる
それぞれ解説します。
2人部屋は少ないので空きがすぐに見つからない
2人部屋がある老人ホームは少なく、すぐに空き部屋が見つかることは稀です。2人部屋にこだわると、長期間入居できない可能性があります。
すぐに入居したい場合は、個室を2部屋借りて1人ずつ入居し、2人部屋の空きが出るまで待つこともあります。2人部屋はすぐに入居できないことを覚悟しておきましょう。
個室に入居して待つ場合、空いていたら2人を近い居室に入居させてくれる施設もあります。
お互いがストレスとなることがある
2人部屋で一緒に過ごしていると、お互いがストレスになることがあります。理由は以下の2つです。
- 部屋の広さが2人で住むには十分ではなく常に近い距離で過ごすから
- 1人になってゆっくりと息抜きできる場所が少ないから
いくら夫婦とはいえ、常に近い距離で過ごしていたら息が詰まってしまいます。リビングでくつろいだりレクリエーションに参加したりして、居室以外で息抜きができる場所を見つけましょう。
どちらかの介護度が上がってくると、常に一緒にいるもう1人の負担が大きくなってきます。ストレスをためないようスタッフに頼りましょう。
夫婦2人の介護度に差があると入居が難しい
2人部屋は夫婦2人の介護度に差があると入居が難しくなります。2人の介護度に差があるほど、2人とも入居条件に合致する施設を見つけにくいからです。
特に以下のような差があると、入居できる施設を見つけるのが困難です。
- 要介護認定を受けている方と自立している方
- 認知症を患っている方と自立している方
介護度や認知症によって、2人部屋のある施設の中からさらに入れる施設が絞られてしまいます。夫婦の介護度に差があるほど、2人部屋に入居できる可能性は低くなってしまうのです。
介護度が上がってくると退去を迫られる可能性がある
2人部屋に住んでいると、介護度が上がってきたら退去を迫られる可能性があります。2人部屋のある施設は自立度の高い方が対象となっている施設が多いからです。どちらかの介護度が上がり入居条件から外れてしまうと、今まで通り2人部屋に住み続けるのは難しくなります。
介護度が高くなってきたときを想定し、2人部屋に住めなくなったらどうするか入居前に家族で相談しておきましょう。
どちらかが亡くなると住み替える必要が出てくる
2人部屋に住んでいるときにどちらかが亡くなると住み替える必要が出てきます。1人で2人部屋に住むと、個室に住むよりも経済的な負担が大きくなるからです。
同じ施設の個室が空いていない場合、他の老人ホームに移ることも考えられます。転居先がすぐに見つからないと、2人部屋に1人で住み続けることになります。
パートナーに先立たれることは誰にでも起こりうることです。両親が元気なうちに家族で対応を考えておきましょう。
どちらかが長期入院した場合も、2人部屋だと経済的な負担が大きくなります。2人部屋に入居する前に、同じ施設内で居室を変更する場合にかかる費用や手続きについて確認しておくと安心です。
まとめ
夫婦が老人ホームの2人部屋に入居することで、生活にサポートが必要になっても安心して大切な人と暮らしていけます。しかし、メリットばかりではありません。入居してから後悔しないよう、デメリットもきちんと理解することが大切です。
仕事や子育てを終えると、いよいよ老後について考えることになります。子供として両親にこうしてほしいという気持ちもありますが、一番大切なのは本人達がどう過ごしたいかです。両親が知らないなら、老人ホームは2人部屋があれば一緒に入居できることを教えてあげてください。後悔しない老後について、家族で考える良いきっかけとなるでしょう。